再発性多発軟骨炎(RP)はどんな病気?


Q1. こんな痛みはありませんか?

再発性多発軟骨炎(RP)とは...

 これらの症状を特徴とし、 全身の軟骨に慢性的な炎症を繰り返す原因不明の難病です。

耳が腫れる
眼が真っ赤に充血する

鼻が腫れる
声がかすれて呼吸が苦しい

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●詳しい内容はこちらを参照ください。
RPパンフレット5版.pdf
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Q2. 患者数はどれくらいですか?

発症年齢  3歳~97歳(全年齢層に分布) 
 平均発症年齢   52.7歳
男女比  ほぼ同等
死亡例  約10% (90%以上の生存率) 
 日本における推定患者数   400~500人

平成21年度厚生労働省研究奨励分野RP研究班による疫学調査(239症例)の結果、日本における推定患者数は、400~500人と推定されています。
(参考:米国における年間発症率100万人あたり3.5人)


Q3. どのような症状がありますか?

  1. 特有の症状は、軟骨に一致した疼痛腫張発赤で、特に鼻根部や耳介の病変は特徴的です。
  2. 自然に、あるいは治療により軽快する場合もありますが、名前が示すとおり再発を繰り返します。
  3. 関節炎は通常移動性で、左右非対称で、骨のびらんや変形を起さないとされています。
  4. 喉頭気管気管支の軟骨病変によって嗄れ声、窒息感、喘鳴、呼吸困難など様々な症状をもたらします。気道閉塞を生じる場合は救急の対応が必要となります。

  5. 眼症状は、強膜炎、結膜炎、虹彩炎、角膜炎を伴います。まれに視神経炎をはじめ、重症な眼症状を伴うことがあります。

  6. 心臓血管系の症状は、大動脈弁閉鎖不全、僧房弁閉鎖不全などの心臓弁膜症、動脈瘤などの大動脈病変を伴うことがあります。
  7. その他の症状としては、腎障害や神経障害を伴うことがあります。

Q4. どのような治療法がありますか?

 

治療の中心は経口ステロイドですが、気道病変を持つ場合には早期から免疫抑制剤の使用を考慮する必要があります。

また、生物学的製剤(レミケード、アクテムラ等)が有効な場合があります。

  1. 炎症が軽度で耳介、鼻軟骨に病変がある場合は、非ステロイド系抗炎症薬を用いることもあります。
  2. 炎症が強く、気道、眼、臓器病変では、経口ステロイドを中等量~大量用います。
  3. 炎症が非常に強く、気道病変や生命予後に影響がある場合は、ステロイドパルス療法を考慮します。
  4. ステロイド減量や効果が不十分な場合は、 免疫抑制剤の併用を考えます。
  5. 外科的治療として、気管切開術、 ステント挿入や気管形成術があります。